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【ふわっと全科目を眺める】「社労士試験 安衛法 目的・定義」過去問・安衛-52

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なぜかというと、早いうちに全科目に触れておくことで、社労士試験の全容がイメージしやすくなり、勉強のペースが掴みやすくなるからです。

なので、あまり構えずに「ふ〜ん、そうなんだ」くらいの気軽な気持ちで読んでみてくださいね。

今回は、安衛法から「目的」や「定義」について見ていきたいと思います。

安衛法は、労基法から分離したものなので、共通しているところと違うところに目を向けてみましょう。

それでは過去問を見ていきたいと思います。

最初の問題は、ズバリ!安衛法と労基法の関係について問われていますので読んでみてくださいね。

 

安衛法と労基法の関係

(平成29年問8E)

労働安全衛生法は、労働基準法と一体的な関係にあるので、例えば「この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、」に始まる労働基準法第1条第2項に定めるような労働憲章的部分は、労働安全衛生法の施行においても基本となる。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

安衛法の目的条文には、「この法律は、労働基準法と相まって、(後略)」とありますし、

通達にも、労基法とは一体としての関係に立つものであることが明らかにされている、と記載されています。

安衛法は、もともと労基法から分離したものなので一心同体の関係なのでしょうね。

念のため、通達のリンクを貼っておきますのでご自由にご参考になさってくださいね。

※「第二 この法律の基本的事項」のところに記載があります。

 

参考記事:労働安全衛生法の施行について 昭和四七年九月一八日 発基第九一号

 

では次に、「事業場」についての考え方を見てみましょう。

労基法では、「場所的観念」によって決定すべき、というものがありましたが、

安衛法ではどうなのでしょうか。

 

安衛法における事業場の考え方

(令和2年問9B)

労働安全衛生法は、事業場を単位として、その業種、規模等に応じて、安全衛生管理体制、工事計画の届出等の規定を適用することにしており、この法律による事業場の適用単位の考え方は、労働基準法における考え方と同一である。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

安衛法でも、事業場を単位として適用されることになっていて、どのように事業場を捉えるかの基準は、労基法と同じですね。

さらに、安衛法では、業種や労働者数によって、安全衛生管理体制などの適用が変わってくるので注意が必要ですね。

それでは、「労働災害」の考え方について見てみますね。

安衛法の目的に「労働災害の防止」がありますが、そもそも労働災害はどのように定義されているのか、次の問題で確認しましょう。

 

労働災害の定義

(平成28年問9B)

労働安全衛生法における「労働災害」は、労働者の就業に係る建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等により、又は作業行動その他業務に起因して、労働者が負傷し、疾病にかかり、又は死亡することをいうが、例えばその負傷については、事業場内で発生したことだけを理由として「労働災害」とするものではない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

安衛法第2条第1項を見ると、労働災害は、

「労働者の就業に係る建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等により、又は作業行動その他業務に起因して、労働者が負傷し、疾病にかかり、又は死亡すること」

と規定されています。

なので、たとえば問題文にあるように、事業場内で負傷したとしても、

建設物や作業行動などに起因したものでなければ、安衛法での労働災害にはあたりません。

さて、次は「事業者」について見てみましょう。

まず、労基法では事業者とは言わず、使用者と呼んでいましたね。

ということは、この部分については安衛法と労基法では定義の仕方が違うのでしょうか?

 

安衛法でいうところの「事業者」とは

(平成26年問8ア)

労働安全衛生法では、「事業者」は、「事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう。」と定義されている。

 

解説

解答:誤り

問題文にある定義は、労基法の使用者を指すので誤りです。

安衛法では、使用者は、「事業を行う者で、労働者を使用するもの」ということになっています。

つまり、事業者とはその事業における経営主体のことを指していて、個人企業であれば事業主個人で法人の場合であれば法人そのものとなります。

なので、労基法と違って法人の代表者は、安衛法の使用者とはなりません。

では最後に、安衛法における「業種」の考え方について見てみましょう。

先ほども述べたように、たとえば安全衛生管理者を置く要件に業種が関係してきますから、

業種の区別についてどのように規定されているのか確認しましょう。

 

業種の区別の仕方

(平成28年問9C)

労働安全衛生法における事業場の業種の区分については、その業態によって個別に決するものとし、経営や人事等の管理事務をもっぱら行なっている本社、支店などは、その管理する系列の事業場の業種とは無関係に決定するものとしており、たとえば、製鉄所は製造業とされるが、当該製鉄所を管理する本社は、製造業とはされない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

なぜ安衛法で業種が重要視されているのかというと、業種によって労働災害が起きるリスクが違ってくるからですね。

たとえば建設業とコンサル業ではケガが起きる度合いは必然的に変わってきますね。

なので、事業場単位で見たときに、会社は製造業であっても、工場は製造業、経営や労務管理を専門に行なっている本社は製造業とはなりません。

 

今回のポイント

  • 労働基準法第1条第2項に定めるような労働憲章的部分は、労働安全衛生法の施行においても基本となります。
  • 安衛法でも、事業場を単位として適用されることになっていて、どのように事業場を捉えるかの基準も労基法と同じです。
  • 労働災害は、「労働者の就業に係る建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等により、又は作業行動その他業務に起因して、労働者が負傷し、疾病にかかり、又は死亡すること」と規定されています。
  • 安衛法では、使用者は「事業を行う者で、労働者を使用するもの」と規定されています。
  • 安衛法では、事業場の業種は業態によって個別に決められ、事業場単位で見たときに、会社は製造業であっても、工場は製造業、経営や労務管理を専門に行なっている本社は製造業とはなりません。

 

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