過去問

「社労士試験 労災保険法 通則は頻出項目ですからしっかり復習しておきましょう」過去問・労災-74

今回の「通則」は、論点はそれほど深くないのですが、形を変えて何度も出題されている項目です。

他の科目にも通じるものもありますので、これを機会にしっかりと押さえておきましょう。

それでは過去問を見ていきたいと思います。

最初の問題は、保険給付のスタートとなるタイミングについて問われています。

保険給付はいつから支給されるのでしょうか?

 

保険給付の支給はいつから始まる?

(令和元年問1A)

年金たる保険給付の支給は、支給すべき事由が生じた月の翌月から始めるものとされている。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

年金の保険給付は、翌月から支給され、権利が消滅した月で終わります。

なので、月の上旬に支給決定された人も、下旬に支給決定された人も等しく翌月からスタートするというわけですね。

年金の支給停止についても、翌月から停止が開始され、支給停止の事由が消滅した月までの停止となります。

では、もし保険給付を受けている労働者が退職したら、保険給付を受ける権利は消滅してしまうのでしょうか。

次の問題で確認しましょう。

 

保険給付を受ける権利と退職の関係

(平成27年問6イ)

労災保険給付を受ける権利は、労働者の退職によって変更されることはない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

労災保険法の保険給付を受けているということは、ケガや病気、障害を持っている状況なわけで、

職場を退職したからといって、給付を打ち切られると、療養や生活に支障が出る可能性が高いですから、

保険給付を受ける権利は労働者の退職に影響されません

ということで、次に保険給付が課税の対象になるのかを見ておきましょう。

せっかく受けた給付に税金はかかるのでしょうか?

 

保険給付は公課の対象となる?

(平成24年問4C)

租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金品を標準として課することはできない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

保険給付には税金はかかりませんが、注意しておきたいのは、「金品」という表現になっているということですね。

「金銭」だと対象がお金になりますが、「金品」となると、お金やモノになりますね。

療養(補償)給付で現物給付を受けているものにも税金はかからないということになります。

それでは、死亡の推定について見てみましょう。

次の過去問では、航空機について問われていますが、基本的な考え方は船舶も同様ですので確認しましょう。

 

航空機に関する死亡の推定

(平成27年問5E)

航空機が墜落し、滅失し、若しくは行方不明となった際現にその航空機に乗っていた労働者又は航空機に乗っていてその航空機の航行中行方不明となった労働者の生死が3か月間わからない場合には、遺族補償給付、葬祭料、遺族給付及び葬祭給付の支給に関する規定の適用については、その航空機が墜落し、滅失し、若しくは行方不明となった日又は労働者が行方不明となった日に、当該労働者は、死亡したものと推定することとされている。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

死亡の推定は、遺族(補償)給付や葬祭料(葬祭給付)をどうやって支給するかという規定になっています。

航空機が行方不明などになって、労働者の生死が判明しないのでは、死亡日が定まらず、いつまで経っても遺族(補償)給付などの支給ができません。

なので、航空機が墜落などして労働者の生死が3ヶ月間わからないときや、

労働者の死亡はわかっているけど死亡日がわからないときは、

航空機が墜落したり行方不明になった日に労働者が死亡したものと「推定」します。

「推定」ということは推測に過ぎないので、別の事実が判明したときは、

そちらの事実に合わせた給付を行うということですね。

では最後に、次は保険給付に未支給分があったときの請求について見ておきましょう。

これについては、他の科目でも出てくる項目ですので、馴染みがあるかと思いますが、

どのように規定されているのか、あらためて確認しましょう。

 

未支給分の保険給付の請求

(令和2年問2E)

労災保険法に基づく保険給付を受ける権利を有する者が死亡した場合において、その死亡した者に支給すべき保険給付でまだその者に支給しなかったものがあるときは、その者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。)、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であって、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたもの(遺族補償年金については当該遺族補償年金を受けることができる他の遺族、複数事業労働者遺族年金については当該複数事業労働者遺族年金を受けることができる他の遺族、遺族年金については当該遺族年金を受けることができる他の遺族)は、自己の名で、その未支給の保険給付の支給を請求することができる。(問題文を一部補正しています)

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

保険給付を受ける権利がある者が死亡したときに、未支給分の保険給付があるときは、

生計を同じくしていた配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹などが「自己の名」で請求することができます。

ちなみに、自己の名で請求できるのは、遺族(補償)年金の場合は、「死亡した労働者の遺族」が対象で、

それ以外の給付は「受給権者」の遺族が対象となっていますので、区別しておく必要がありますね。

 

今回のポイント

  • 年金の保険給付は、翌月から支給され、権利が消滅した月で終わります。
  • 労災保険法の保険給付を受ける権利は労働者の退職に影響されません
  • 保険給付には税金はかかりませんが、「金品」という表現になっているということに注意しておきましょう。
  • 航空機が墜落などして労働者の生死が3ヶ月間わからないときや、労働者の死亡はわかっているけど死亡日がわからないときは、航空機が墜落したり行方不明になった日に労働者が死亡したものと「推定」して、遺族(補償)給付や葬祭料(葬祭給付)を支給します。
  • 保険給付を受ける権利がある者が死亡したときに、未支給分の保険給付があるときは、生計を同じくしていた配偶者、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹などが「自己の名」で請求することができます。

 

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