令和2年度の社労士試験では、児童手当法が大問で出題されてギョッとしましたね。
児童手当法の場合、忘れた頃にドーン!と大問で出題されますので、気を抜かず勉強しておきたい法律です。
ただ、社会保険の一般常識で出されるに過ぎませんから、深入りは禁物です。
なので、まずはこの記事をサラッと読んで馴染んでおくようにしましょう。
それでは最初の問題を見ていきましょうね。
この問題は、「児童」の定義について問われていますのでチェックしましょう。
児童手当法でいうところの「児童」の定義とは?
(平成25年問10ア)
「児童」とは、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者であって、日本国内に住所を有するもの又は留学その他の内閣府令で定める理由により日本国内に住所を有しないものをいう。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
労働基準法での児童は「満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了していない状態」を指しますが、
児童手当法では、「18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者」ということになります。
労基法では中学を卒業するまで、児童手当法では高校を卒業するまでと覚えておくといいかも知れませんね。
で、この児童手当の額は、ざっくり
- 3歳未満 → 15,000円
- 3歳以上〜中学校卒業まで → 10,000円
ということになっています。
では、この児童手当の財源はどこが負担しているのでしょうか。
次の問題で見てみましょう。
児童手当の費用負担はどうなっているのか
(平成25年問10エ)
都道府県知事又はその委任を受けた者が認定をした地方公務員に対する児童手当の支給に要する費用(当該地方公務員が施設等受給資格者である場合にあっては、中学校修了前の施設入所等児童に係る児童手当の額に係る部分を除く。)は、国と当該都道府県がそれぞれ50%ずつを負担する。
解説
解答:誤
都道府県の地方公務員に支給する児童手当は都道府県が全額負担します。
ただ、その地方公務員が施設等受給資格者である場合は、中学校修了前の施設入所等児童にかかる児童手当の額にかかる部分は対象外です。
その「施設等」というのは、たとえば障害児入所施設や乳児院のような施設を指し、里親の場合も含まれます。
ちなみに、地方公務員の場合だけでなく、児童手当は、その人が所属している国や都道府県、市町村が全額負担することになっています。
さて、児童手当は児童の人数によって支給額が決まるわけですが、家庭の中で子どもが生まれれば児童の数が増えますし、中学校を卒業すれば児童の数も減るわけです。
ということでまず、児童手当が増額になった時にいつから額が増額されるのか次の問題で見てみましょう。
児童手当の増額はいつから適用される?
(令和2年問8C)
児童手当の支給を受けている者につき、児童手当の額が増額することとなるに至った場合における児童手当の額の改定は、その者がその改定後の額につき認定の請求をした日の属する月の翌月から行う。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
児童手当の額が増額することになった時は、まずその旨の請求が必要で、児童手当の額の改定は、請求をした日の属する月の翌月から行われることになります。
増額の場合は「請求が必要」なんだということをまず押さえておきましょう。
では逆に、児童手当が減額することになった場合の改定がいつになるのか見てみましょう。
児童手当が減額になるタイミング
(平成30年問6E)
児童手当法では、児童手当の支給を受けている者につき、児童手当の額が減額することとなるに至った場合における児童手当の額の改定は、その事由が生じた日の属する月から行うと規定している。
解説
解答:誤
児童手当の減額は、その事由が生じた日の属する「月」からではなく、「翌月」から改定されます。
増額の場合は、「請求した翌月」ですが、減額のときは「事由が生じた翌月」なんですね。
言い換えると、増額は請求しないと児童手当が増えることはありませんが、減額は「その事由が生じれば」それで要件を満たすということなんですね。
では最後に、児童手当が未支給の状態が生じたときに、誰に支給されるのか見ておきましょう。
次の過去問に「一般受給資格者」という用語が出てきますが、これは子どもを指すのではなく、一般的には親のことです。
で、所定の所得制限未満の場合であれば一般受給資格者ということになりますので、そこを押さえてから下の問題を読んでみましょう。
未支給の児童手当は誰の手に?
(令和2年問8D)
児童手当の一般受給資格者が死亡した場合において、その死亡した者に支払うべき児童手当(その者が監護していた中学校修了前の児童であった者に係る部分に限る。)で、まだその者に支払っていなかったものがあるときは、当該中学校修了前の児童であった者にその未支払の児童手当を支払うことができる。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
児童手当の一般受給資格者(いわゆる「親」のことで所得の高い方)が死亡した場合に、その受給資格者に支払うべき児童手当を支払っていなかったときは、
その中学校終了前の児童だった者に児童手当を支払うことができます。
今回のポイント
- 児童手当法における「児童」は、「18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者」を指します。
- 都道府県の地方公務員に支給する児童手当は都道府県が全額負担します。
- 児童手当の額が増額することになった時は、まずその旨の請求が必要で、児童手当の額の改定は、請求をした日の属する月の翌月から行われることになります。
- 児童手当の減額は、その事由が生じた日の属する「翌月」から改定されます。
- 児童手当の一般受給資格者(いわゆる「親」のことで所得の高い方)が死亡した場合に、その受給資格者に支払うべき児童手当を支払っていなかったときは、その中学校終了前の児童だった者に児童手当を支払うことができます。
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