介護(補償)給付の支給要件についての一番のポイントは、「介護を実際に受けていること」です。
治ゆしていなくて傷病(補償)年金を受給していても、逆に治ゆしていて障害(補償)年金を受給していたとしても、どちらのケースでも介護(補償)給付を受けられるのが特徴なのですが、
「介護を要する状態」で、「実際に介護を受けている間だけ」支給されるのが要件となっています。
また、親族などに介護を受けている場合に最低補償がついているのも見逃せない論点ですね。
では、介護(補償)給付が社労士試験でどのように問われているのかをみていくことにしましょう。
介護補償給付は障害補償年金と併給できる?
(平成25年問1D)
傷病補償年金を受ける者には、介護補償給付は行わない。
解説
解答:誤
傷病補償年金を受ける者でも、一定の要件を満たせば介護補償給付が支給されます。
介護補償給付は、
- 障害補償年金又は傷病補償年金を受ける権利を有している
- 一定の障害の状態に該当している
- 常時又は随時介護を要する状態にあり かつ 常時又は随時介護を受けている
ときに、介護を受けている間に労働者に対して、その請求に基づいて支給されます。
ポイントは、「現に介護を受けている」ことです。
いくら介護を要する状態であっても、介護を受けていなければ介護(補償)給付は支給されないのです。
では、介護といっても、老人ホームなどに入所しているケースはどうなるのでしょうか。
次の過去問で確認してみましょう。
老人ホームに入ってると介護補償給付は受けられない?
(平成24年問3D)
労働者が老人福祉法の規定による特別養護老人ホームに入所している間については、介護補償給付は支給されない。
解説
解答:正
問題文のとおりで、特別養護老人ホームに入所している間は、介護補償給付は支給されません。
- 障害者支援施設(生活介護を受けている場合に限る。)
- 特別養護老人ホーム
- 病院又は診療所
に入所している間は、その施設で十分なサービスを受けられているから、ということで介護(補償)給付は支給されないことになっています。
なので、介護(補償)給付は、主に自宅などで介護されていることを前提にしているように思えますね。
さて、では介護(補償)給付の金額はどのように設定されているのかを確認しましょう。
介護補償給付の金額は?
(平成23年問4C)
介護補償給付は、月を単位として支給されるが、その月額は、常時又は随時介護を受ける場合に通常要する費用を考慮して厚生労働大臣が定める額とする。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
介護補償給付は、月単位として支給され、その月額は、厚生労働大臣が定めることになっています。
介護(補償)給付として厚生大臣が定めているのは、
- 常時介護の場合と随時介護の場合の下記の金額
- 介護の費用として支給される上限額
- 親族などが介護しているときに支給される最低補償額
となっています。
この金額は、「今年の金額はこれになります」という形で金額が年によって変わってきますので、受験する年に設定されている金額を押さえるようにしましょう。
では、介護(補償)給付の金額について別の視点から出題されているものがありますので、チェックしておきましょう。
介護に要する費用が上限に達しない場合は?
(平成25年問2E)
介護補償給付の額は、常時介護を要する状態の被災労働者については、支給すべき事由が生じた月において介護に要する費用として支出された額が、労災保険法施行規則に定める額に満たない場合にあっては、当該介護に要する費用として支出された額である。
解説
解答:正
問題文のとおりです。
介護に要する費用として支出された額が、上限額に達していない場合は、介護に要する費用として支出された額が介護補償給付の額として支給されます。
ちなみに、親族などの介護を受けている場合で、介護に要する費用が最低補償額に達していない場合は、最低補償額が支給されることになります。
が、月の途中で親族などの介護を受け始めた場合は、上記の最低補償額は支給されず、介護に要した実費支給となりますので注意が必要です。
今回のポイント
- 介護(補償)給付は、
- 障害(補償)年金又は傷病(補償)年金を受ける権利を有している
- 一定の障害の状態に該当している
- 常時又は随時介護を要する状態にあり かつ 常時又は随時介護を受けている
ときに、介護を受けている間に労働者に対して、その請求に基づいて支給されます。
- 次の施設に入所している間は、介護補償給付は支給されません。
- 障害者支援施設(生活介護を受けている場合に限る。)
- 特別養護老人ホーム
- 病院又は診療所
- 介護(補償)給付として厚生大臣が定めている金額は、
- 常時介護の場合と随時介護の場合の下記の金額
- 介護の費用として支給される上限額
- 親族などが介護しているときに支給される最低補償額
となっています。
- 介護に要する費用として支出された額が、上限額に達していない場合は、介護に要する費用として支出された額が介護補償給付の額として支給されます。
- 親族などの介護を受けている場合で、介護に要する費用が最低補償額に達していない場合は、最低補償額が支給されることになります。
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