「労基法 5分でわかる1か月単位変形労働時間制」過去問・労基-29

〜「労基法 5分でわかる1か月単位変形労働時間制」労基-29〜

今回は一か月単位の変形労働時間制について取り上げたいと思います。

1か月単位の変形労働時間制って他の変形労働時間制と違って、労使協定じゃなくても就業規則で定めることで採用できるなど、要件が違っているところを押さえると、社労士試験では、理解も早く進むと思います。

それでは早速、最初の過去問ですが、

「とりあえず変形期間を平均して週40時間を超えなきゃいいんだろ?」

みたいな問題です。

 

「ちょっと急に忙しくなったから労働時間変更してもいい?」

(平成22年問5A)

労働基準法第32条の2に定めるいわゆる1か月単位の変形労働時間制を採用する場合には、労使協定による定め又は就業規則その他これに準ずるものにより、変形期間における各日、各週の労働時間を具体的に定めることを要し、変形期間を平均して週40時間の範囲内であっても、使用者が業務の都合によって任意に労働時間を変更するような制度はこれに該当しない。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

使用者が業務の都合によって任意に労働時間を変更するようでは変形労働時間制とは言えません。

1か月月単位の変形労働時間制がどんな仕組みなのか確認しておきましょう。

1か月単位の変形労働時間制は、

労使協定による定め又は就業規則その他これに準ずるものにより、変形期間を平均して週40時間の範囲を超えない定めをしたときは、特定された週において40時間、特定された日では8時間を超えて、労働させることができます。」

ちなみに、常時10人未満の労働者を使用する商業、映画演劇業(制作を除く)、保健衛生業、接客娯楽業は週40時間のところ、週44時間までオッケーです。

で、労使協定や就業規則には変形期間や変形期間の起算日、変形期間における「日」や「週」の労働時間を具体的に決めることが必要となります。

なので、使用者が業務の都合によって任意に労働時間を変更できるわけではないのです。

では、次のケースはどうなるのでしょう。

週平均38時間以内におさまっていて問題なさそうですが、、、

 

1週間の平均労働時間が38時間以内というだけではダメ??

(平成27年問6イ)

労働基準法第32条の2に定めるいわゆる1か月単位の変形労働時間制が適用されるためには、単位期間内の各週、各日の所定労働時間を就業規則等において特定する必要があり、労働協約又は就業規則において、業務の都合により4週間ないし1か月を通じ、1週平均38時間以内の範囲内で就業させることがある旨が定められていることをもって、直ちに1か月単位の変形労働時間制を適用する要件が具備されているものと解することは相当ではないとするのが、最高裁判所の判例である。

 

解説

解答:正

問題文のとおりです。

1か月単位の変形労働時間制として認められるためには、やはり、

労使協定や就業規則などによって、変形期間や変形期間の起算日、変形期間における「日」や「週」の労働時間を具体的に決めることが必要となります。

労働者の立場に立ってみれば、いくら1週間を平均して38時間以内におさまっているとはいえ、どの日が何時間の労働になるのかが分からないと、結局、シフトに振り回されるような結果になりかねませんよね。

なので、労使協定や就業規則であらかじめ決めておくことが必要になるのですね。

次の問題は、具体的に1か月単位の変形労働時間制の仕組みを作る時に、「変形期間の起算日をいつにするか」の論点についてです。

 

やっぱり毎月1日スタートがいい?

(令和元年問2A)

1か月単位の変形労働時間制により労働者に労働させる場合にはその期間の起算日を定める必要があるが、その期間を1か月とする場合は、毎月1日から月末までの暦月による。

 

解説

解答:誤

「毎月1日から月末までの暦月」にする必要はありません。

たとえば、お給料の締めのタイミングに合わせて、15日を起算日にして、そこから1か月とすることもできます。

では次に、変形期間における「日」や「週」の労働時間に上限は定められているのかを確認しましょう。

 

1日や1週間の労働時間に上限はある?

(令和元年問2E)

1か月単位の変形労働時間制においては、1日の労働時間の限度は16時間、1週間の労働時間の限度は60時間の範囲内で各労働日の労働時間を定めなければならない。

 

解説

解答:誤

1か月単位の変形労働時間制では、問題文のような規定はなく、上限が定められているわけではありません。

ちなみに、「1年単位の変形労働時間制」では「1日あたり10時間」、「1週間あたり52時間」と決めれられていますので、この辺りの論点を整理しておく必要がありますね。

 

今回のポイント

  • 使用者が業務の都合によって任意に労働時間を変更するようでは変形労働時間制とは言えません。
  • 労使協定や就業規則などによって、変形期間や変形期間の起算日、変形期間における「日」や「週」の労働時間具体的に決めることが必要となります。
  • 変形期間の起算日は「毎月1日」をスタートにする必要はありません。
  • 1か月単位の変形労働時間制では、変形期間における「日」や「週」について労働時間の上限が定められているわけではありません。

 

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