過去問

社労士試験勉強法 過去問攻略!「徴収法 請負事業の一括や分離の要件は?」 徴-21

今回は、請負事業の一括についてのお話です。

事業の一括には、請負事業だけでなく、有期事業や継続事業もありますので、それぞれ要件があり知識がごちゃごちゃになりやすいところです。

一つ一つ丁寧に押さえていくようにしましょう。

 

請負事業の一括は認可申請が必要?

(平成26年労災問9C)

厚生労働省令で定める事業が数次の請負によって行われる場合において、労災保険の保険関係に関し当該事業を一の事業とすることについて元請負人の認可申請があり、厚生労働大臣の認可があったときは、労働保険徴収法の規定の適用については、それらの事業は一の事業とみなされ、元請負人のみが当該事業の事業主とされる。

 

解説

解答:誤

元請負人の認可申請や厚生労働大臣の認可は不要で、法律上当然に請負事業の一括とされます。

問題文に「厚生労働省令で定める事業」とありますが、これは「建設の事業」を指します。

建設の事業が、数次の請負によって行われる場合、労働保険徴収法の規定の適用については、それらの事業は一の事業とみなされ、法律上当然元請負人のみが当該事業の事業主とされます。

では次の過去問を見てみましょう。

 

請負事業の一括の対象となる事業は?

(平成27年労災問10C)

厚生労働省令で定める事業が数次の請負によって行われる場合の元請負人及び下請負人が、下請負事業の分離の認可を受けるためには、当該下請負人の請負に係る事業が立木の伐採の事業である場合は、その事業の規模が、素材の見込生産量が千立方メートル未満、かつ、請負金額が1億8,000万円未満でなければならない。

 

解説

解答:誤

先述したとおり、請負事業の一括の対象となる事業は、立木の伐採の事業ではなく、建設の事業ですね。

ですので、立木の伐採の事業が下請負事業の分離をすることはありません。

「数次の請負」ときたら「建設!」と連想できるようになるとバッチリですね。

先ほど、「下請負事業の分離」という言葉が出てきましたが、下請負事業の分離の認可を受けるための要件はどうなっているのでしょうか。

下の過去問でチェックしましょう。

 

下請負事業の分離の認可を受けるためには?

(平成27年労災問10B)

厚生労働省令で定める事業が数次の請負によって行われる場合の元請負人及び下請負人が、下請負事業の分離の認可を受けるためには、当該下請負人の請負に係る事業が建設の事業である場合は、その事業の規模が、概算保険料を算定することとした場合における概算保険料の額に相当する額が160万円未満、かつ、請負金額が1億8,000万円未満でなければならない。

 

解説

解答:誤

下請負事業の分離の認可を受けるためには、概算保険料の額に相当する額が160万円以上又は、請負金額が1億8,000万円以上であることが必要です。

「未満」ではなく、「以上」ということは、ある一定以上の規模の事業でないと分離ができない、ということですね。

小さい工事ならむしろ一括でやってちょうだい、ということなんでしょうね。

下請負事業の分離の要件はわかりました。

「分離」をするということは、分離する側(元請負人)と分離される側(下請負人)がいるわけですが、どちらが分離の申請をするんでしょう。

最後にそれを確認することにしましょう。

 

下請負事業の分離の申請は誰がする?

(平成26年労災問9E)

厚生労働省令で定める事業が数次の請負によって行われる場合であって、労働保険徴収法の規定の適用については、元請負人のみが当該事業の事業主とされる場合においても、元請負人の諾否にかかわらず、下請負人の申請に基づき厚生労働大臣の認可を受けることによって、当該下請負人が元請負人とみなされる。

 

解説

解答:誤

下請負事業の分離の認可にかかる申請は、元請負人と下請負人が共同で申請しなければなりません。

実際にはどうか分かりませんが、双方の同意があっての分離ということなんでしょうね。

 

今回のポイント

  • 建設の事業が、数次の請負によって行われる場合、労働保険徴収法の規定の適用については、それらの事業は一の事業とみなされ、法律上当然元請負人のみが当該事業の事業主とされます。
  • 下請負事業の分離の認可を受けるためには、概算保険料の額に相当する額が160万円以上又は、請負金額が1億8,000万円以上であることが必要です。
  • 下請負事業の分離の認可にかかる申請は、元請負人と下請負人が共同で申請しなければなりません。

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