年次有給休暇(以下、有休)は、労働者が休んでも賃金が支払われる制度です。
ですが、有休を取得できるのは正社員だけではありません。
アルバイトも、一定の条件を満たせば付与される労働基準法上の権利なのです。
有休が発生する要件とは、
「入社から6か月継続勤務し、その間、8割以上出勤していること」です。
この要件をクリアすれば、原則として週の労働日数に応じた日数の有休が付与されます(労働基準法第39条)。
2019年からは、有休が付与される基準日に年10日以上付与される労働者に対して、
企業側には年5日以上を取得させる義務があります。
ただ、有休は「労働日」にしか取得できないことから、
特にシフトで働く従業員に対しては注意が必要です。
対策としては、事前に勤務予定を確定して、
有休申請のルールを明文化しておくことで、
トラブルを防ぐ可能性を高めることができます。
また、退職前に有休をまとめて申請されるケースも見受けられますが、
基本的に企業側はこれを拒否できません。
労働者には有休を取得するときには、
時季(有休取得日)を指定する権利がありますが、
退職予定者の場合、退職日までに取得可能であれば、
有休取得の行使を拒否することができません。
原則として取得可能な有休を買い上げることは違法となりますが、
退職時に取得しきれなかった有休を買い上げることは可能です。
有休は、働く人の健康と職場の健全運営を支える大切な制度です。
企業側も、正しく理解して対応したいですね。